救急車の安全運転向上に向けた実証実験

更新日:2024年03月27日

ページID: 23582

事業の概要

令和5年7月から、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社と連携し、IoT(アイオーティー)タグやGPS(ジーピーエス)等を使い収集するテレマティクスデータ(自動車走行データ)を活用し、救急車などの緊急車両の安全運転向上を目的とした実証実験を行っています。

路面状況把握に関する実証実験のイメージ図

救急車の安全運転向上に向けた実証実験のイメージ図

実施の背景

本市の救急出動件数は、令和元年度にかけて増加したのち、コロナ禍において一時的に減少したものの、ポストコロナへの移行や今後の急速に進む高齢化の影響等により、再び救急出動件数が増えていく見込みです。また救急業務が高度化しており、救急隊員の人材育成に重点を置いた取り組みも求められています。

令和4年版消防年報より救急出動件数と搬送人員数の推移

令和4年版消防年報より救急出動件数と搬送人員数の推移

救急隊員は、一刻も早く搬送対象者を医療機関等に搬送することが求められます。中でも救急車を運転する際は、事故を起こさないように安全を確保したうえで「速さ」と「揺らさない」といった高度な運転技術が求められます。救急車が揺れると乗り心地が悪く、搬送対象者や救急隊員に悪影響を及ぼすためです。

乗り心地の悪化によるリスク
搬送対象者に与えるリスク 救急隊員に与えるリスク
  • 嘔気や嘔吐の誘発
  • 血圧・頭蓋内圧の変動
  • 疼痛の増悪、他
  • 転倒等の負傷
  • 処置の遅れ、失敗
  • 疲労の増加

 

本市消防本部は、これまで独自にドライブレコーダで「揺れ」を数値化し、数値がどの程度になれば乗り心地に影響が出るのか、救急隊員同士で検証を行ってきました。本検証を進める中で、あいおいニッセイ同和損保が有するテレマティクスデータの技術・ノウハウを活用することで、より効果的な取り組みが行えるのではないかと考え、本実証実験に至りました。

実証の進め方

実証は次のような流れで実施します。

  1. 三田市消防本部の救急車にテレマティクスタグを搭載
  2. 走行によりデータを蓄積
  3. データ分析や統計加工を実施
  4. 運転状況を可視化
  5. データに基づき救急隊員を育成
  6. 運転技術の向上につなげる

取り組みのポイント

効果測定や検討・実施する主なポイントは次のとおりです。

  • 一定の加速度で定義した「急減速」を検知した走行データについて、救急隊員にヒアリングを行い、テレマティクスデータの有効性を検証

  • 救急隊員の勤怠データやバイタルデータ等との相関検証の実施も予定

各者の役割

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

走行データの分析や統計加工、データの可視化、救急車向け安全運転マネジメントサービスの開発、等

三田市

救急車でのデータ収集、データに基づく育成、安全運転向上につながるか効果検証、等

関連資料

記者提供資料

その他

一般財団法人地方自治研究機構「先進事例調査研究事業」

一般財団法人地方自治研究機構が、令和5年度に先進的な取組を行っている団体の先進事例を収集し、先進事例集を公表しましたが、「救急車の安全運転可視化に関する実証実験」が先進事例として一覧に掲載されました。

この記事に関するお問い合わせ先

総務部 DX推進課 スマートシティ推進係
〒669-1595 兵庫県三田市三輪2丁目1番1号
電話番号:079-559-5096
ファクス番号:079-559-6877

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