新病院基本計画
「新病院基本計画」を策定
これまで三田市民病院と済生会兵庫県病院が有してきた診療機能を発展・向上させるとともに、三田・北神地域において安定的かつ継続的に良質な急性期医療を提供し、地域医療に関わる人材育成の拠点病院としての役割を果たせるよう、再編統合による新病院の整備に向けて「新病院基本計画」策定しました。

新病院イメージ図
以下、新病院基本計画の概要
1.基本理念
両病院職員らにより構成する基本理念委員会での協議と、新病院で中心的役割を担う若手職員らによる自主的な検討会での活発な議論の積み上げを経て、前文・標語・指針からなる基本理念を定めました。
標語は新病院が目指す方向性を示しています。また、指針は患者と地域・新病院・職員の3つの視点で示しており、その全体像を木に例えて整理しました。
【標語】
私たちは、変わらない使命のために、変わり続けます
【指針】
地域の笑顔とぬくもりのために
私たちは、すべてのいのちに寄り添い、地域に笑顔と安心を届けます
私たちは、地域とともに高度な医療を提供できる病院づくりを推進します
地域のために変わらぬ使命
私たちは、「断らない救急」を目指します
私たちは、確かな技術で充実した急性期医療を提供します
私たちは、地域医療機関等と連携を推進します
私たちは、広域的な自治体間連携を推進します
私たちは、持続可能な病院経営を行います
地域のために変わり続ける職員
私たちは、常に創意工夫し成長し続けます
私たちは、お互いを支え合い尊重し、世代を超えて働きやすい職場環境をつくります

2.新病院の特徴
(1) 救急医療の充実
ICU、HCU、NICUなどの集中治療室25床を整備し、年間14,000件の救急患者の受け入れを可能とする充実した救急診療体制を整えます。
(2) 小児・周産期医療の充実
小児地域医療センター、地域周産期母子医療センターの指定を取得し、ハイリスク妊婦や低出生体重児、ハイリスク新生児への対応など高度な医療提供を行います。
(3) 診療機能の強化による地域完結型医療の提供
三田・北神地域における地域完結率を高めることを目指し、心臓血管外科の新設、脳神経外科の充実、がん診療機能の強化を図ります。
(4) 新興感染症への対応強化と安全安心で快適な療養環境の提供
原則全室個室とすることで、感染症の流行規模に合わせたゾーニングによる徹底した感染対策を施し、患者プライバシーが確保された安全で快適な療養環境を提供します。
(5) 災害医療への対応
災害拠点病院の施設基準に準ずる施設として、十分なスペースと備蓄を確保し、駐車場ゾーンを利用した臨時のヘリコプター発着エリアや自家発電設備を整備します。
また、周辺地域の傷病者の受け入れを行うことができる体制を整備します。
(6) 医療従事者にも選ばれる病院
診療機能の強化を図るとともに教育研修機能を充実させ、医療従事者にとっても魅力的で働きやすい病院を目指すことで、安定した医療提供体制を構築します。
3.病床数
病床稼働率を考慮し、ピーク時の医療需要(想定入院患者数382.8人)に対応するために必要な病床数425床を確保します。
また、24時間365日体制で救急医療を提供するとともに、地域周産期母子医療センターとしての役割を果たすために、ICU(特定集中治療室)、HCU(ハイケアユニット)やNICU(新生児集中治療室)を整備します。
ICU(特定集中治療室) | 6床 |
HCU(ハイケアユニット) | 10床 |
NICU(新生児集中治療室) | 9床 |
一般病床 ※全室個室 | 400床 |
合計 | 425床 |
4.想定する診療科目
これまで両病院で提供してきた診療機能を継承することとし、両病院の両方又はいずれかにて現在標ぼうしている計23診療科については維持・充実させていくこととします。
また、診療圏における需要分析結果を踏まえ、新病院における新たな標ぼう診療科として、下表下段の計12診療科を追加で設置し、計35診療科にて対応することを想定しています。
内科系診療科 | 外科系診療科 | その他専門診察料 | |
現在両病院で標ぼうし、今後も標ぼう (23診療科) |
内科、消化器内科、循環器内科、腎臓内科、小児科、呼吸器内科、 リウマチ科(膠原病リウマチ内科) 【7診療科】 |
外科、消化器外科、 呼吸器外科、形成外科、脳神経外科、整形外科、泌尿器科、眼科、麻酔科、皮膚科、 産婦人科、歯科口腔外科、 耳鼻いんこう科 【13診療科】 |
アレルギー科、リハビリテーション科、病理診断科 【3診療科】 |
新規で標ぼう(12診療科) | 総合内科、腫瘍・血液内科、糖尿病・内分泌内科、脳神経内科、緩和ケア内科 【5診療科】 |
心臓血管外科、乳腺外科、小児外科 【3診療科】 |
救急科、放射線診断科、放射線治療科、精神科 【4診療科】 |
5.整備計画
(1) 整備予定地・建築計画
1 所在:神戸市北区長尾町宅原地内
2 敷地面積:約76,000平方メートル
3 都市計画等:
市街化調整区域(建ぺい率60%/容積率100%)
一部農用地区域
4 建築計画概要(予定)
建築面積: 約10,000平方メートル 延床面積: 約41,000平方メートル
病床数: 425床 構造: 鉄筋コンクリート造、免震構造
駐車場: 約1,300台 その他: 駐輪場、院内保育所を想定
(2) 施設計画
6階から8階建てを想定し、3階までの低階層部分に各部門(外来・薬剤・リハビリ等)を配置し、4階以上に病棟を配置することを想定します。
また、敷地内に別棟で保育所棟の設置を想定します。
6.概算整備費
新病院に関する整備費については、近年の労務単価・物価上昇や、建設業における昨今の社会経済情勢を見据え、以下のとおり算定しました。
項目 | 内容 | 概算整備費 |
設計監理費 | 設計・工事監理 | 16億円 |
建設工事費等 | 建築工事、外構工事、附帯設備、造成工事 | 405億円 |
医療機器等整備費 | 医療機器、情報システム、備品 | 92億円 |
その他 | 移転費、コンサル経費など | 8億円 |
合計 | 521億円 |
※利息(140億円)を含む総整備費は661億円となります。また、上記には、用地取得費を含んでいません。
※「医療機器等整備費」の内訳は、医療機器整備費60億円・情報システム整備費28億円・備品費4億円となっています。
※新病院の整備費は、進捗に応じて見直す場合があります。
7.財政負担
(1) 整備費
三田市 | 済生会 | 神戸市 |
---|---|---|
整備費の2/3(約67%)を負担 |
整備費の1/3(約33%)を負担 | ・用地取得費から病院事業債の元利償還金に対して三田市に措置される普通交付税相当額を控除した金額を三田市へ支援 ・救急医療及び周産期医療に係る病床分を対象に、神戸市民の入院患者の割合を三田市へ支援 |
項目 | 合計 | 内訳 | |||
三田市 | 済生会 | 県補助金 | |||
市税負担 | 交付税措置 | ||||
新病院整備費 | 521億円 | 198億円 | 142億円 | 162億円 | 19億円 |
※上表には利息、用地取得にかかる費用及び神戸市からの支援額は含みません。
※交付税措置及び県補助金については、国及び県の現行制度が継続された場合を想定して試算しています。
※国による普通交付税措置は、施設整備費(うち建物は単価59万円/平方メートルまで)、医療機器整備費の40%を想定しています。
(2) 運営費
三田市 | 済生会 | 神戸市 |
---|---|---|
政策医療等(救急医療や周産期医療など)について、指定管理料として負担 | 全ての運営費(三田市及び神戸市の負担分を除く) | 救急医療及び周産期医療に係る収支不足額相当額を対象に、神戸市民の入院患者の割合を済生会へ支援 |
8.新病院における収支シミュレーション
R13 年度 |
R14 年度 |
R15 年度 |
R16 年度 |
R17 年度 |
R18 年度 |
R19 年度 |
R20 年度 |
R21 年度 |
R22 年度 |
|
収益 | 14,531 | 15,306 | 16,091 | 16,305 | 16,544 | 16,544 | 16,544 | 16,544 | 16,544 | 16,544 |
費用 | 14,786 | 14,825 | 15,575 | 15,839 | 16,138 | 16,271 | 16,290 | 16,310 | 16,329 | 16,347 |
経常 収支 |
△255 | 481 | 516 | 466 | 406 | 273 | 254 | 234 | 215 | 197 |
※現時点で見込まれる整備費や現行制度に基づいた試算によります。
※R12年度は年度途中の開院を予定しているため、上記シミュレーションに含んでいません。
9.整備スケジュール
新病院の今後の整備スケジュールについては下表のとおりとし、令和12年度中の開院を目指すものとします。
R5 | R6 | R7 | R8 | R9 | R10 | R11 | R12 | |||||||||
基本計画 | ||||||||||||||||
用地調査・取得 | ||||||||||||||||
基本設計・実施設計 | ||||||||||||||||
建設工事 | ★ |
※現時点で見込まれるスケジュールであり、設計段階においてさらに精査します。 ★印=開院
10.新病院への交通アクセス
(1) 基本方針
新病院が開院することによる、人の流れや交通環境の変化に配慮しながら、患者や家族等の利用者にとって望ましい交通アクセスを整備します。
交通アクセスの検討にあたっては、現在の病院までのアクセス状況を踏まえ、病院の移転により患者や家族等の利用者の利便性が大きく損なわれることがないよう、地域特性を考慮するものとします。
(2) 公共交通について
・公共交通ネットワークを最大限活用するため、交通事業者との連携等により、バス停の設置等による公共交通サービスの向上や公共交通の利用促進を図ります。
・公共交通の補完として、シャトルバスの運行等についても検討します。
(3) 自動車交通について
・新病院周辺の道路交通環境への影響を考慮しながら、必要な交差点や道路を整備します。
・患者、家族等の車両と救急車の導線を考慮し、駐車場や乗降場所を整備します。
11.現病院の跡地活用
(1) 現三田市民病院の跡地活用について
「現三田市民病院跡地活用基本方針」の策定
現三田市民病院跡地活用策の方向性について、民間サウンディング型市場調査を経て検討を進めた結果、回復期医療及び外来診療の提供を基本としつつ、引き続き市民が安心して医療を受けることのできる体制の構築につながる跡地活用の方向性を示すものとして「現三田市民病院跡地活用基本方針」を令和6年7月に策定しました。
今後は令和7年度中頃に事業者を選定し、契約協議等を進め、新病院開院後に跡地における事業着手を予定しています。
跡地活用のコンセプト・導入を想定する機能
跡地活用のコンセプトを以下のとおり設定し、このコンセプトの実現のため、回復期医療及び外来診療の提供を基本とする市民サービスを提供します。
【導入を想定する機能】
1 回復期医療機関
2 外来診療機能
3 休日応急診療センター機能
4 病児保育機能等
5 子育て相談・交流機能
6 在宅医療等
7 介護施設
8 子育て世代~シニア層まで幅広い市民に有益な機能
9 周辺地域の魅力・価値向上につながる機能
(2) 現済生会兵庫県病院の跡地活用について
現済生会兵庫県病院についても、医療機能を残すことを最優先に検討が進められています。
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更新日:2025年02月14日