令和5年度カートでおでかけ「むこグルグル」実証実験の結果
グリーンスローモビリティを活用したむこグルグル実証実験について
武庫が丘において、昨年に引き続き環境に優しい電気自動車であるグリーンスローモビリティを使った新しい移動サービスの実証実験を行いました。
「むこグルグル」の愛称で、フラワータウン駅前から武庫が丘の各地区内やコミュニティセンターなどをゆっくり巡回し、買い物や通院などの日常の移動手段として運行しました。
※グリーンスローモビリティは、時速20キロメートル未満で走行するゴルフカートのような車で、「環境への負荷が少ない」「低床で乗降がしやすい」「近距離の移動に適している」といった特性を持っていることから新たなモビリティとして期待されています。
実証実験の概要
運行概要
令和5年度 | 参考:令和4年度 | |
運行期間 | 8月16日(水曜日)~10月17日(火曜日) | 11月10日(木曜日)~12月23日(金曜日) |
運行日数 | 45日間 | 31日間 |
運行場所 | フラワータウン 武庫が丘地区 | フラワータウン 武庫が丘地区 |
停留所 | 17箇所 | 19箇所 |
車両 | ヤマハ製7人乗り1台 | 日立製4人乗り1台 |
便数 | 1日6便 | 1日7便 |
運賃 | 無料 | 無料 |
予約 | 不要 | 不要 |
運行形態 | 定時定路線型 | 定時定路線型 |
ドライバー | 17名(地域ボランティア13名・市職員4名) | 14名(地域ボランティア) |
運行ルート
運行ダイヤ
便 |
のりば1 フラワータウンバスロータリー発 |
のりば14 武庫が丘コミュニティセンター |
のりば17 スーパーマーケットNISHIYAMA前 |
1 | 9時20分 | 9時40分 | 9時50分 |
2 | 10時00分 | 10時20分 | 10時30分 |
3 | 10時40分 | 11時00分 | 11時10分 |
4 | 11時20分 | 11時40分 | 11時50分 |
5 | 12時20分 | 12時40分 | 12時50分 |
6 | 13時00分 | 13時20分 | 13時30分 |
実証実験項目及び結果
(1)グリーンスローモビリティの運行
- 運行期間中(45日間)の延べ利用人数は943名であり、利用者の69%が複数回利用したリピーターでした(図2)。また、1便当たり平均3.5名が利用し、昨年度の1名を上回りました。
- 1日当たり利用者数は、運行開始した8月から10月にかけて増加し、10月の利用が最も多い結果となりました(図1)。
- 利用者層は、70歳代以上が50%を占め(図3)、イオンやフローラ88等の買い物目的の利用が多い結果となりました(図4)。
令和5年度 | 参考:令和4年度 | |
延べ利用者数 | 943人 | 231人 |
実利用者数※ | 273人 | 154人 |
1便当たりの利用者数 | 3.5人 | 1人 |
※実利用者数:乗車後アンケートの割合から実利用者数を算出
【図1】便別1日当たり利用者数(人/日)(運行日誌より)
【図2】乗車回数(乗車後アンケートより)
【図3】利用者層(乗車後アンケートより)
(2)安全対策
グリーンスローモビリティの安全運行のため、3つの安全対策の取組みを実施しました。
1)車両からのメロディ発信
車両から童謡等のメロディを流し、歩行者や自転車へグリーンスローモビリティが接近していることを周知しました。沿線住民アンケートから「音楽に気づいて、事前に車両を避けることができた」との回答が48%あり、他の交通参加者への危険回避に一定の効果がみられました。
2)車両接近周知システム
住区内の信号のない車道交差点のうち、優先度の高いヒヤリハットポイント1箇所において、グリーンスローモビリティ及び人を検知した場合、電柱に設置した回転灯及び音声システムが稼働し横断者に車両接近の注意喚起を実施しました。
実証実験期間中の事故件数は0件でした。沿線住民アンケートから「一旦停止をして周囲を確認する」との回答が70%あり、当該システムは事故及びヒヤリハット抑止に一定の効果がみられました。検知対象車両の範囲を拡大することで、一層の安全対策に貢献することが期待できます。
3)自転車歩行者専用道路への路面標示
自転車歩行者専用道路のうちグリーンスローモビリティが走行するレーンと路地が交差している7箇所に、グリーンスローモビリティ走行をイメージできるイラストを標示し、歩行者や自転車への注意喚起を実施しました。
沿線住民アンケートから、64%が路面標示の存在を認識していた結果となりました。また、33%が路面標示を「知っていて、注意して歩行するようにした」と回答し、路面標示の設置により、歩行者・自転車への注意喚起に一定の効果が確認できました。他の標示方法や安全対策との組み合わせることで、より安全な交通参加者との共存空間づくりが期待できます。
更新日:2024年04月10日