木造五智如来坐像(禅林寺)
名称 | 木造五智如来坐像 |
読み | もくぞうごちにょらいざぞう |
所有者等 | 禅林寺 |
指定区分 | 県 |
種別 | 彫刻 |
年代 | 平安時代 |
指定年月日 | 平成元年3月31日 |
所在地 | 上内神 |
地区 | 広野 |
数量 | 5躯 |
中央に大日如来、その左右に2仏ずつ並んでいる。像高に差異が見られるように彫法にも違いがあって制作年代は奈良時代後期から平安後期の間と思われる。この中で特に古様を示す如来像は2躯、薬師と阿閦である。
薬師如来の首の両側からうなじまで衲衣の襟を高く立てている作風は珍しく類例が少ない。右手は与願印、左手は掌に薬壺を載せていたと思われる枘穴がある。
阿閦如来の印相は通例左手で衣端を握り右手は下に垂れて触地となるのに、ここの印相は定型でない。手首は後補したものであるため、あるいは他の像から転用したものなのかも知れない。
この2躯はいずれもヒノキの一木造りで量感溢れ膝部は別材で矧ぎ部厚い。もとは彩色されていたと思われるが今は下地漆らしいものが残っている。目と唇の色が鮮やかなのは補色したためである。
残り3躯の作風は穏やかな平安後期あたりの特徴を備え、同じくヒノキの一木造である。これらは江戸時代初期には既に廃寺となっていた天楽寺の旧仏であったと伝える。
更新日:2023年02月10日