テレビショッピングを利用する時は気を付けて(令和2年5月18日放送)

地元FM局・ハニーFMに消費生活センターの相談員や市職員が出演し、消費生活に関する話題を解説する広報番組「賢い消費者になりましょう」。毎月第3月曜日の15時10分～15時30分に放送していますので、ぜひお聴きください。

 新型コロナウィルス感染症による外出自粛の影響を受け、通信販売の利用者が増えています。通信販売の一種であるテレビショッピングでは返品条件などについて表示される時間が短く、それがトラブルの原因となる相談も少なくありません。

事例）自宅でテレビを見ているとテレビショッピングで電子タバコの宣伝をしていた。すぐに電話をかけて注文したものの、よく考えると必要がないと思ったので、届いたら開封せずに返品することにした。その後、商品が届いたので配送用の箱を開け、商品は届いたままの状態で、事業者の返送先に「返品します」と電話した。すると「未開封でも返品できません」と断られた。別の業者のテレビショッピングでは未開封なら返品に応じてくれた。クーリング・オフできないか。（60歳代男性）

まず、相談者に対して、返品条件は事業者ごとに異なり、また同じ事業者であっても商品ごとに返品条件が異なる場合があることを説明しました。今回がどのような返品条件であったかを確認するよう伝えたところ、配送用の箱に入っていた書面には「商品の開封後は一切返品受付できません」と書いてあることがわかりました。センターから業者に確認すると「電話で注文を受けた時に、当社から発送した後は商品が未開封であっても返品できないと伝えている」とのことでした。返品条件の内容が書面と口頭では違っていることを指摘して交渉し、返送料を相談者が負担したうえで返品できることになりました。

アドバイスが5つあります。

1. テレビショッピングなどの通信販売には、一定期間であれば無条件で契約を解除できるというクーリング・オフ制度はありません。事業者が返品の条件を設けている場合はそれに従うことになります。返品ができる場合でも「開封後の返品は不可」「使用後は返品できない」などの条件があることもあり、注意が必要です。
2. テレビショッピングでは返品条件などの情報がテレビ画面に表示される時間が限られているため、ついつい商品の印象やお得感に気を取られてしまいますが、契約内容や解約条件を見逃さないようにしましょう。特に健康食品や化粧品の定期購入の場合は、1回限りではなく定期購入である旨、定期購入の期間など重要な事項が表示されているので注意しましょう。
3. 電話で注文する際にはオペレーターの説明をしっかりと聞いて、注文内容を確認しましょう。説明がわからない場合や契約内容について説明がない場合は自分から確認し、納得してから注文しましょう。
   確認する内容として4点です。
   1. 返品条件...「一切返品は受付けない」「開封後は返品を受付けない」「使用後は返品できない」など商品ごとに条件が異なるのでしっかり確認してください。
      テレビショッピングでは現物を見て注文しているわけではないためイメージしていたものとは違っていた、返品したい、交換したいと思うことが起こりがちです。
   2. 送料やそれ以外の費用...商品の金額だけに気を取られず、送料や代金引換の手数料、組み立て料金や設置工事料金がかかる場合があるため確認が必要です。
   3. 支払い方法...支払方法が選べず、代金前払いしかない場合は、その理由について納得できる説明を受けましょう。
   4. 引き渡し時期...オーダー品などは時間がかかることがあるので、注文後何日くらいで届くか確認するようにしましょう。
4. 注文した時は、その日時、業者の連絡先、商品名、購入金額、引き渡し時期、返品条件を必ずメモに残しておきましょう。電話での申し込みの場合は受け付けたオペレーターの名前も書いておくとよいでしょう。
5. 返品条件についての説明がなければ商品を受け取ってから8日間は返送料を負担して、返品することができます。
   困ったときは三田市消費生活センター、消費者ホットライン188にご相談ください。