上場株式等の配当所得等に係る個人市・県民税の課税方式について
令和4年度税制改正について
令和4年度税制改正において、上場株式等の配当所得や上場株式等の譲渡所得等に係る課税方式について、所得税と市・県民税で一致させることとなりました。これにより所得税と市・県民税で異なる課税方式を選択することができなくなります。また、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用要件についても、所得税と市・県民税で一致させることとなります。
この改正は、令和6年度の市・県民税(令和5年分の所得税の確定申告)から適用されますのでご注意ください。
申告不要の所得について
上場株式等に係る所得の内、所得税15.315%と市・県民税(住民税)5%の合計20.315%の税率であらかじめ源泉徴収(特別徴収)されているものについては、原則申告の必要がありません。
申告不要の上場株式等に係る所得を申告した場合、扶養控除や配偶者控除の適用、非課税判定の基準となる総所得金額等や合計所得金額に加算されます。また、国民健康保険税、後期高齢者医療保険、介護保険料等の算定やその他の行政サービス等に影響が出る場合がありますのでご注意ください。
- 大口株主が受ける配当や少額配当などのように、所得税20.42%のみが源泉徴収されていて、市・県民税が源泉徴収されていないものは申告が必要です。
大口株主とは、発行済み株式の3%以上保有している株主をいいます。
少額配当とは、1銘柄につき1回に支払を受ける金額が、10万円に配当計算期間の月数を乗じてこれを12で除した金額以下の配当金をいいます。
上場株式等に係る損失の繰り越しについて
上場株式等に係る譲渡損失や先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除については、毎年、連続して当該年度の市・県民税の納税通知書が送達される日までに申告しているときに限り適用されますのでご注意ください。
例えば、前年の損失額を翌年に繰り越す申告書と当該年の譲渡所得に繰越控除を適用する確定申告書をまとめて提出されたとしても、前年の所得に対する市・県民税の納税通知書がすでに送達されている場合は、当該年の所得に対する市・県民税の計算において繰越控除は適用できません。
よって、株式等の譲渡が無い年も、損失額を翌年に繰り越すためには、市・県民税の納税通知書が送達される日までに確定申告書を提出してください。
上場株式等に係る配当所得の課税関係
総合課税で申告した場合 | 申告分離課税で申告した場合 | 申告しない場合 | |
---|---|---|---|
住民税税率 | 市6%県4% | 市3%県2% | 5%(特別徴収) |
配当控除の適用 | あり | なし | なし |
配当割額控除の適用 | あり | あり | なし |
上場株式等に係る譲渡損失との損益通算 | できない | できる | できない |
合計所得金額への算入 (扶養控除や非課税の判定など) |
合計所得金額に含む | 合計所得金額に含む | 合計所得金額に含まない |
上場株式等に係る譲渡所得等の課税関係
申告分離課税で申告した場合 | 申告しない場合 | |
---|---|---|
住民税税率 | 市3%県2% | 5%(特別徴収) |
株式等譲渡所得割額控除の適用 | あり | なし |
申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得等との損益通算 | できる | できない |
譲渡損失の翌年への繰越 | できる | できない |
合計所得金額への算入 (扶養控除、非課税の判定など) |
合計所得金額に含む | 合計所得金額に含まない |
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更新日:2024年01月01日