令和5年12月三田市議会定例会(第374回)市長提案説明

更新日:2023年11月27日

ページID: 25300

はじめに

皆様、おはようございます。
令和5年12月三田市議会定例会の開会に当たり、議員の皆様のご健勝を心からお喜びし、日頃のご精励に対し深く敬意と感謝を申しあげます。
さて、今年もあと1か月を残すのみとなりましたが、私にとりまして今年は、多くの市民の皆様からの負託を受け、市政を預からせて頂くことになった人生の大きな転機の年となりました。8月の就任以降、「市民本位の市政」を念頭に、地域や団体のお祭りやイベント、そして地域医療市民会議などで、市民の皆様との積極的なコミュニケーションを図ってきているところです。
また、10月から始めました「田村克也市長への手紙」では、1か月半で150通を超えるお手紙等を通じて、多様なご意見を頂戴しておりますが、皆様から頂きましたご意見につきましては、私が市長として初めて臨む、三田市の元気なまちづくりに向けた令和6年度予算の編成作業などにおいて、適切に反映させてまいりたいと考えております。

 

地域医療提供体制の確保

それでは、提案理由の説明に先立ちまして、三田市民病院の再編統合の現状についてご報告・整理させていただいたうえで、私の考えを述べさせていただきます。
まず、現状につきましては、私が市長就任後、三田市民病院と済生会兵庫県病院との再編統合計画について全て凍結しております。
次に、7月の三田市長選挙で掲げておりました公約についてですが、この場で整理をさせていただきます。選挙公約のひとつに「地域医療の充実化」を掲げておりましたが、そのプロセスとして「三田市民病院の神戸移転白紙撤回」という言葉を使っておりました。
これは、市民の皆様に再編統合の情報が十分伝わっていないため、一旦立ち止まり、改めて市民の皆様に必要な情報を発信し、ご意見を聴かせていただき、納得のもとで最善の方策を検討していくということを意図したものでありました。しかしながら、この「白紙撤回」という表現により、市民の皆様をはじめ、市議会や関係機関、市民病院職員など多くの方々にご心配をお掛けし、混乱を招きましたことを、この場をお借りし、深くお詫び申しあげます。
それでは、結論から申しあげます。私は、これまで凍結してまいりました『三田市民病院と済生会兵庫県病院の再編統合計画』について本日をもって再開いたします。続いて、この結論に至った経過や思いについて、ご説明させていただきます。
10月22日から約1か月間、市内9地区・10日間の日程で地域医療市民会議を開催し、「三田市民病院のこれから」について、市民の皆様に情報を伝え、ご意見を聴き、また私自身が輪の中に入って対話を行ってまいりました。延べ600人を超える市民の皆様にご参加いただき、市民の方が知りたい情報を丁寧にお伝えすることで、市民の皆様と情報を十分に共有することができたと実感しており、直接ご意見を聴かせていただいた全57回の市民会議、及び昨日行われました三田地域医療フォーラムは、非常に有益な場であったと考えています。
ご意見の中には、子や孫の世代までの将来の三田市のために『産科・小児科の体制充実』を望むものや、大切なのは急性期医療の機能を残すことであるといったご意見、三田市民病院が遠くなることに対する不安や交通アクセスに関する懸念の声も数多く寄せられ、市民の方が大切に考えておられることや、不安に感じていることなどを、適切に把握することができました。
また、私は市長就任後、三田市民病院の職員およそ百数十人と一人一人意見交換を行い、三田市民病院の将来像が明らかになっていない中で、現場で働く多くの医療スタッフが現状に不安を感じていることや医療人材の確保が困難になっている状況、さらには、医師のみならず、看護師やコメディカルの人員が不足しており、24時間救急をはじめとする急性期医療の提供体制が逼迫していることを再確認いたしました。
加えて、地域医療に携わる方々と意見交換をさせていただく中で、三田市民病院が市民の皆様の命を守る“最後の砦”であり、将来に亘って急性期医療の維持・充実を図っていかなければならないことや、再編統合を行った兵庫県内の公立病院を視察し、医師をはじめとする医療資源の集約化により地域医療の充実が図られている姿を確認してまいりました。
このように、私は多くの市民の皆様をはじめ、三田市民病院の職員や地域医療に携わる方々のご意見を聴かせていただく中で、市民の皆様が安心して暮らせるまちをめざすため、急性期・回復期・慢性期等のすべてのステージにおいて、状態に応じた適切で必要な医療を切れ目なく安心して受けることができる体制づくりに取り組み、地域医療の充実化を図ってまいりたいとの結論に至りました。とりわけ、24時間救急を中心とする急性期医療の維持・充実につきましては、市民の皆様の様々な思いを受け止めながら熟慮に熟慮を重ねてまいりましたが、市民の皆様の命を守り抜くためには、三田市民病院と済生会兵庫県病院の再編統合が唯一の方策であり、『三田・北神地域の急性期医療の確保に関する基本構想』に基づき取り組みを進めていく決断をいたしました。つまり、市長として、現在地での急性期医療を存続することは不可能だと判断いたしました。
なお、令和5年3月31日に締結いたしました三田市・三田市民病院・社会福祉法人 恩賜(おんし)財団(ざいだん) 済生会支部兵庫県済生会・神戸市の四者による『三田市民病院と済生会兵庫県病院の再編統合に係る基本協定』及び令和5年6月に議決いただいた『三田市民病院と済生会兵庫県病院の再編統合による急性期医療の確保に関する連携協約』の締結につきましては、私が市長就任後からこれまで凍結しておりましたので、済生会兵庫県病院及び神戸市に対し、取り組みを足踏みさせたことをお詫びし、その後、両者に私の決断をお伝えしたうえで、改めて再編統合に向けて協議を進めてまいりたいと考えております。
また、市民の皆様から数多くご心配の声を寄せられました交通アクセスにつきましては、私のリーダーシップのもと、公共交通事業者の協力を得て地域公共交通ネットワークを確保する最善の努力をするとともに、シャトルバスを運行させるなど、市民の皆様にご安心いただける交通アクセスを確保してまいる決意であります。
加えて、現三田市民病院の跡地活用については、市内に不足している回復期医療を提供する民間病院の誘致や、休日応急診療センターの移設や在宅医療・介護の充実など幅広い活用を図ることで、再編統合で整備する急性期医療とセットで、高齢者が住み慣れた家庭や地域で安心して自分らしく暮らすことができる「地域包括ケアシステム」を充実させることにより市民の皆様の安心につなげてまいります。つまり、病院機能を残し強化いたします。
また、私がめざす「子どもを核としたまちづくり」を推進するため、併せて子育て世代に対する支援施設としての活用を図ることで、現三田市民病院の跡地が、高齢者から子どもまでのあらゆる世代にとって、新たな地域の拠点となるよう取り組んでまいります。
つきましては、議員の皆様におかれましては、ご理解とご協力を賜りますようお願い申しあげます。

 

提案議案について

それでは、今期定例会に提案いたしました議案につきまして、ご説明を申しあげます。

予算案件

はじめに、予算案件でございますが、令和5年度一般会計補正予算ほか3件であります。
まず、議案第78号「令和5年度一般会計補正予算(第6号)」では、総額1億2,573万円の増額補正をしようとするものであります。
その内容でありますが、丹波少年自然の家事務組合解散に伴う負担金として1,764万円、インフルエンザの流行により不足が見込まれる子育て支援医療費助成事業費として7,911万円、三田市休日応急診療センターにおいて新型コロナウイルス感染症への抗ウイルス薬処方の開始に伴う医薬材料費として1,298万円、寺垣内線の道路拡幅事業として1,600万円をそれぞれ増額しようとするものです。
また、併せて、えるむ橋の長寿命化工事を6年度に繰り越して実施するための限度額を定めるとともに、放課後児童クラブの送迎用バス運行事業委託費、医療的ケアの必要な児童生徒の通学支援にかかる業務委託費及び野外活動センターにおいて、現在休所し施工中の橋梁改修工事終了後、令和6年7月から運営を再開するための指定管理費に係る債務負担行為の限度額並びに道路橋梁整備事業債の発行に伴う地方債の限度額について補正しようとするものであります。
続いて、特別会計となりますが、議案第79号「国民健康保険事業特別会計(第2号)」では、一般被保険者療養費に不足が生じる見込みであるため2,098万円の増額補正をしようとするものであります。次に、議案第80号「介護保険事業特別会計(第2号)」では、介護保険事業にかかる介護保険給付費及び地域支援事業支援交付金の令和4年度概算交付に伴う精算返納金5,616万円、介護給付費準備基金積立金として2億2,691万円をあわせて2億8,307万円の増額補正をしようとするものであります。また、議案第81号「三田市民病院事業会計(第2号)」では、労働基準監督署からの指導により追加支給する時間外勤務手当等として1億8,000万円を増額補正しようとするものであります。
なお、去る11月2日に閣議決定されました「デフレ完全脱却のための総合経済対策」において、追加が盛り込まれた重点支援地方交付金については、速やかに低所得世帯や物価高騰の影響を受けた市民や事業者などへの支援に活用できるよう、適切に対応してまいりますので、議員の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

 

条例案件、事件決議案件等

次に、条例案件でございますが、「市民本位のまちづくり」をさらに推進するとともに、市民にわかりやすく、また多様化する課題等へのきめ細やかな対応を目的とした組織体制の確立を図るため、部の再編等を行う「三田市の組織及びその事務管理に関する条例」の一部改正のほか、公共施設個別施設計画に基づき、長寿命化と機能向上を図るための大規模改修工事に伴い、所要の規定の整備を行うための「三田市高平ふるさと交流センター条例」の一部改正、「三田市市民センター条例」の一部改正など計6件であります。
最後に、事件決議でございますが、「さんだ市民センター大規模改修工事請負契約の締結について」、「高平ふるさと交流センター大規模改修工事請負契約の締結について」など計4件であります。
なお、今会期中に予算案件、条例案件及び人事案件を追加提案いたしたく考えておりますので、ご了承を賜りたくお願い申しあげます。
以上をもちまして、提出議案の説明を終わります。
議員の皆様におかれましては、何とぞ慎重にご審議をいただき、適切なるご議決を賜りますようお願い申しあげ、提案の説明といたします。ありがとうございました。

 

この記事に関するお問い合わせ先

総合政策部 秘書課
〒669-1595 兵庫県三田市三輪2丁目1番1号
電話番号:079-559-5028
ファクス番号:079-564-6563
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