令和5年9月三田市議会定例会(第372回)所信表明

更新日:2023年08月25日

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令和5年9月の三田市議会定例会における市長所信表明でマイクの前に立つ市長の写真

はじめに

皆様、おはようございます。
今年は残暑がことのほか厳しく感じられる本日ここに、令和5年9月三田市議会定例会を開催いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、ご健勝にて、ご出席を賜り厚くお礼申し上げますとともに、日ごろのご精励に対し、深く敬意を表する次第でございます。
市長就任後、初めての定例会でございますので、まず平成24年7月から施行しております「三田市まちづくり基本条例」第27条の規定に基づき、宣誓を行います。

宣誓 私は市民の信託を受けた市長として、三田市まちづくり基本条例を遵守し、市民主体のまちづくりの推進と暮らしやすいまちを実現するため、公正かつ誠実に職務を遂行することをここに誓います。
令和5年8月24日 三田市長 田村 克也
ありがとうございました。

所信表明

それでは、議案等の説明に先立ち、私の市政に対する所信の一端を申し述べさせていただき、議員の皆様をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
私は、この度の市長選挙におきまして、市民の皆様の厳粛な負託を受け、第8代三田市長の重責を担わせていただくことになり、この上ない光栄であると同時にその責任の重さに身が引き締まる思いでございます。
私は、市民お一人お一人のお声を大切にしながら、市民本位で三田のまちを変えていくことが、最も大切であると訴えてまいりました。その結果、先の市長選挙では、14,774票を獲得し、1,013票の僅差で当選させていただくことができました。この結果が意味するところは、市民の皆様が市民の声を聞きながら、市政の改革は進めて欲しいという方々がいる一方で、安定した市政運営をして欲しいという方もいらっしゃると認識しています。そうしたことから、2元代表制の一翼を担われている議会の皆様のご協力、ご理解を得ながら市政運営を進める「安定的な改革」を望んでおられるのだと強く感じたところです。市民の皆様方からのメッセージをしっかりと受け止め、ご期待にお応えできるよう、民間で培った経験、ノウハウ、知見、人的ネットワークを活用しながら、元気な三田をとりもどすとの決意を胸に、市民の皆様へしっかりと情報発信を行い、ご意見を聞き、市長が市民目線で判断する、市民本位の市政運営を実現してまいります。
加えて、三田市の喫緊の重要課題は、人口減少を止めることであり、人口減少を止められないと三田の未来はないと訴えてまいりました。
日本全体で人口が減少しているから、三田市でも人口が減少しても仕方ないというような諦めにも似た悲観的な考え方ではなく、将来のこどもたちに、できる限り負担を残すことがないよう堅実な財政運営に努め、大胆に予算と職員をこども関連施策へシフトさせ、「こどもを核としたまちづくり」を進め、三田で安心して子どもを産み、育てることができるというメッセージを強く発信することで、若者や子育て世代の定住につながるものと考えています。
また、「新しい三田」・「元気な三田」を創っていくためには、職員の協力が必要不可欠です。職員には、前例踏襲を打破する多くの意見やアイデアの提案とチャレンジ精神をもって業務に取り組んでいただくようお願いしたところです。職員の英知を結集させ、市役所が一丸となり、市役所が市民目線で動いている、市役所が変わったと、市民の皆様に実感いただけるよう、これまで以上に市民満足度(CS、いわゆるシビルサティスファクション)を高めるよう取り組んでまいりたいと思っております。
とりわけ、市政運営の両輪であります議員の皆様とは、丁寧な説明と対話を通じて、信頼関係を構築することが、重要であると考えております。議員の皆様におかれましては、ときに厳しくも温かい、ご指導とお力添えをいただきますよう心からお願い申し上げます。

次に、私は「5つの約束」を基本に「元気な三田の未来」を市民の皆様と一緒に創ってまいりますので、その考え方についてご説明いたします。
まず、一つ目は「三田市まちづくり基本条例」に則った市政の推進です。三田市まちづくり基本条例は、市民、市議会、市長等がお互いに責任を果たしながら、協働してまちづくりに取り組み、市民主体のまちづくりを推進し、暮らしやすいまちを実現するための考え方が示された、三田市の憲法ともいうべき条例です。私は、市民、議会、行政が一緒になってつくり上げられた、この条例の趣旨を踏まえ、市民主体のまちづくりを進めてまいります。


二つ目は、市民参加の市政を目指した市民との対話による施策の創出です。
私が、まちづくりを進める上で、最も大切にしていることは市民目線です。市民の皆様に必要な情報を発信し、共有する。そして、市民一人一人のお声を丁寧にお聞きし、共に考え、力を合わせて、市民目線でまちづくりを進めてまいります。
まずは、自ら市民の皆様の元へ出向き、身近な地域の課題から市政全般に至るまで、市民のお声をお聞きする「市長タウンミーティング」を開催し、きめ細やかに施策を創ってまいります。市民の皆様と幅広く対話を積み重ねていくことで、これまでより市政への参加を実感していただき、市民が希望する施策を創ることができるものと考えています。


三つ目は、人権を尊重し、高齢者、障害者にやさしいまち、誰もが安心して暮らせるまちづくりです。
老後の不安や介護に対する負担などについて、切実なお声をお聞きしています。市民に最も近い基礎自治体として、市民の暮らしを生涯にわたってサポートするため、高齢者・障害者への活動支援、認知症サポートの強化などに取り組みます。また、高齢者の方々には、一層充実した生活を送っていただき、地域社会でその力を発揮し、支え手となっていただけるよう、高齢者のコミュニティへの参画機会を創出してまいります。
年齢や性別、障害の有無、国籍などに関わらず、誰もが分け隔てられることなく、住み慣れた地域で自分らしく、安心して暮らし続けられる「笑顔あふれる共生社会(インクルーシブ社会)」を実現することで、お互いに、助けあい、支え合うことができる、一人一人に寄り添う、やさしいまちづくりを積極的に進めてまいります。


四つ目は、子育て世代、働く世代への応援です。
私は、まちをつくるのは“ひと”であり、これからの三田のまちをつくるのは、今の三田のこどもたちであると考えています。限りある予算をどこにどう使うか、どの施策を優先させるのか、今一度検討し、こども関連予算の充実により、三田の未来をつくる、こどもたちをまち全体で応援する“子育てのまち”三田を復活させてまいります。
とりわけ、こども医療費助成をはじめとする三田市独自の5つの無料化を「すべて所得制限なし」、「すべて自己負担なし」で、新たに実施してまいりたいと考えています。まずは、多くのお声をいただきました「高校生までの医療費の完全無料化」、「中学校給食費の無料化」を令和6年度からの実現を目指すとともに、保育料の無料化などの検討を進めます。加えて、こども食堂や学童保育など、しっかりと充実化を図っていき、まち全体で本気で応援できるよう、スピード感を持って取り組んでまいります。
小・中学校の再編につきましては、こどもたちの意見を一番に尊重しながら、これまでの経緯、業務の進捗状況などを踏まえ、今後の進め方を判断したいと考えています。
次に、働く世代への応援です。私も会社員時代には、三田から通勤していましたが、毎日の通勤は大きな負担でした。市内の働く世代の皆さんの中には、通勤時間を短縮したいとの思いから、阪神間へ転出を検討される方もいらっしゃるとお聞きします。このような状況を踏まえて、働く世代の通勤の軽減を図れるような取り組みを検討したいと考えています。三田に住んでおられる子育て世代や働く世代を応援することで、三田市内から市外への転出を食い止めてまいりたいと思っております。


五つ目は、地域医療の充実並びに三田市民病院の再編・統合です。
地域医療の充実につきましては、市民の皆様が安全安心に暮らせるまちをめざすため、急性期・回復期・慢性期等のすべてのステージにおいて、状態に応じた適切で必要な医療を切れ目なく安心して受けることができる体制づくりに取り組んでまいりたいと考えています。また、市民の皆様の命を守る“最後の砦”となっている市民病院の24時間救急を中心とする急性期医療は、将来に亘って維持・充実を図っていかなければならないと強く認識しております。あわせて、市内で子どもを産み育てられる環境を整えるため、市民病院の産科・小児科の体制充実にも取り組んでまいりたいと考えております。
次に三田市民病院の再編・統合に関する私の考え方を述べさせていただきます。
私は「市民病院再編・統合の白紙撤回を表明する」という公約を実現するため、市長就任後、三田市民病院をはじめ神戸大学医学部付属病院並びに済生会兵庫県病院へご挨拶に伺い、市民病院再編・統合の白紙撤回を表明させていただいたところです。しかしながら、私が市民病院再編・統合の白紙撤回を表明いたしましても「三田市民病院と済生会兵庫県病院の再編統合に係る基本協定」を一方的に破棄できるものではないことは、これまでもお伝えしてきたところです。
私は、公約である市民病院再編・統合の白紙撤回を表明したうえで、市民の皆様にお伝えできていない情報など必要な情報を公開し、しっかりと市民のお声をお聞きしながら、市民の皆様の命を最優先に考え、適切に判断したいと考えております。
次に、私が市長就任後、直ちに市民病院の現状把握等を行った結果、現在の小児科の診療体制では、救急はもとより、このままでは産科の対応も困難となり、市民病院での出産ができなくなる状況になりつつあること。また、24時間救急につきましても、救急医は定年後の医師が1名しか在籍しておらず、新たな救急医の確保も難しいことや救急の担い手となる若手医師の確保も難しく、この状態が続けば、もはや24時間救急を維持することが困難な状況となっていること。さらには、令和6年度から始まる医師の働き方改革や新専門医制度の影響や施設の老朽化等の課題を踏まえると、このままでは急性期医療を将来に亘って守り続けることが、極めて困難な状況であることを確認いたしました。
また、このまま再編・統合しない場合は、市民病院59人の医師が市民病院を退職したいと、病院長を通じて私に意思表示されました。私は、この意思表示を重く受け止め、市民の大切な命を守れなくなるということも十分に理解したところです。
また、市民の皆様から再編統合の相手先が最初から決まっていたのではないのかというご質問があります。私が確認したところ、三田市は相手先を想定してスタートしていたことが分かりましたので、このような情報も含め整備事業費など、市民の皆様がお知りになりたい情報を適切にお示しし、お声を聞かせていただき最善の方策を検討してまいります。
つまり、情報公開をきちんと行い、市民の皆様のご意見を聞いたうえで納得していただくというステップは、お約束どおり行ってまいります。
しかし、医療体制の充実に向けて時間的猶予がそれほどあるわけではないことも、十分に理解しております。
加えて、市と市議会が市民病院のあり方特別委員会をはじめ市議会の皆様と約6年間にも及び丁寧に積み重ねられた議論の内容は、尊重しなければいけないことも十分に認識しております。つきましては、議員の皆様におかれましては、私の意図するところをお汲み取りいただきますようお願い申し上げます。


5つの約束に加え、三田の基幹産業である農業につきましては、担い手不足が大きな課題であると認識しており、これまで以上に実効性のある施策を検討してまいります。
加えて、市街化調整区域の課題につきましては、自然環境や住環境などに配慮しながら、時代にあった形で制度を充実してまいりたいと考えています。また、三田の豊かな自然を守り、暮らしの質を高める取り組みや公共交通機関の整備・充実にも取り組んでまいります。
また、市立野外活動センターにつきましては、アウトドアの魅力溢れる施設として生まれ変わらせることを目的に、再生プロジェクトを推進してきたところでございます。
しかし、同センターについては、施設の老朽化は進んでいるものの気軽に利用できる憩いの場、様々なアウトドアのニーズを満たす場として、市内外の方々から一定の利用が今後も期待されるほか、子どもの自主性や協調性、社会性の醸成をはじめとした野外活動がもたらす教育的意義を享受する場として果たす役割は損なわれていないと判断しました。よって、同プロジェクトにつきましては、中止を前提に優先交渉権者と協議を進めてまいりたいと考えております。
議員の皆様をはじめこれまでご尽力いただきました優先交渉権者の事業者様並びに本再生プロジェクトに期待をお寄せいただいておりました地域の皆様におかれましては、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
なお、当面は現在の施設を指定管理者制度による運営により維持させていただきたく、必要な予算措置を、今期定例会へ追加提案したいと考えております。
今後の施設の在り方につきましては、市民の皆様のご意見をお聞きし、当該施設の在り方を検討してまいります。なお、今年度、当初に予算化しておりました「つどい橋」改修工事につきましては、橋梁の老朽化や橋梁が建築基準法で求める接道要件を満たしていないことなどを解消するため予定どおり実施いたします。


最後になりましたが、私は市民本位の市政を実現させ、元気な三田を取り戻すために、議員の皆様をはじめ市民の皆様と十分に話し合うことが重要であると考えております。議員並びに市民の皆様方におかれましては、今後の市政運営に格段のご理解とご協力を賜りますよう重ねてお願いを申し上げまして、市長就任の所信表明といたします。
ありがとうございました。
 

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