第1章 計画の策定にあたって 1 計画策定の趣旨 (1)計画策定の目的 本市では、平成24年3月に「三田市第4次障害者福祉基本計画」(以下、「前計画」とします。)を策定し、障害のある人に関する施策を総合的に推進してきました。また、平成27年3月に「第4期三田市障害福祉計画」を策定し、障害福祉におけるサービスごとに必要な利用の見込量を定め、施策の推進を図ってきました。 前計画は、国における制度改革の動きと同時並行で進めましたが、計画策定後に多くの関係法令が可決・成立し、また、国における障害者施策の基本的あり方を示す「障害者基本計画」(第3次)が平成25年9月に策定されました。 「三田市第5次障害者福祉基本計画」(以下、「本計画」とします。)は、国における制度改革の内容や社会情勢・ニーズの変化、サービス利用実績等を踏まえ、全ての人々の人権が尊重され、だれもが地域でいきいきと安心して暮らせるまちづくりを進めていくため、障害者福祉施策の基本的方向性と具体的な取組について定めるものです。 (2)国や社会の動向 国においては、障害のある人に関わる様々な制度の改革に向けた検討が進められ、多くの関係法令が成立しています。また、社会経済情勢は絶えず変化を続けており、障害のある人本人や、家族を中心とした主に介護を担う人の高齢化、また障害の重度化・重複化などへの対応が迫られています。 福祉サービス提供体制の見直し・充実 障害のある人を対象としたサービスに関しては、平成24年の児童福祉法等の改正により、障害児通所支援と障害児入所支援が創設されるとともに、地域の療育支援の中核施設として、児童発達支援センターが位置づけられました。 また、平成25年に障害者自立支援法が「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(以下「障害者総合支援法」とします。)に改正され、サービスを受けることができる障害者の範囲に難病患者が加えられ、平成26年より共同生活介護(ケアホーム)の共同生活援助(グループホーム)への一元化、重度訪問介護の対象拡大などの実施が定められました。 平成28年5月に「障害者総合支援法」と「児童福祉法」の改正案が国会において可決・成立し、平成30年4月に施行されます。これに伴い、障害のある人の地域における生活の維持・継続に向けた基幹相談支援センターの有効活用や地域生活支援拠点等の整備、精神障害に対応した地域包括ケアシステムの構築、就労定着に向けた支援、障害児のサービス提供体制の計画的な構築、「地域共生社会」の実現に向けた取組などを今後進めていくこととなります。 障害のある人の就労支援の充実 障害者就労施設で就労する障害のある人や在宅で就業する障害のある人の経済面の自立を進めるため、平成25年4月に「国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律」(以下「障害者優先調達推進法」とします。)が施行され、国や地方公共団体、独立行政法人等の公的機関により、障害者就労施設等から優先的・積極的に物品やサービスを調達する取組が進められています。 また、平成25年に「障害者の雇用の促進等に関する法律」(以下「障害者雇用促進法」とします。)が改正され、平成28年から雇用分野における障害者差別の禁止や合理的な配慮の提供義務が定められるとともに、平成30年から法定雇用率の算定基礎に精神障害のある人を加えることが規定されました。今後とも障害のある人の一般就労、福祉的就労の機会の拡充に向けた取組を関係機関とともに進めていくこととなります。 障害のある人に対する虐待防止と差別の解消 平成24年に「障害者虐待防止法」が施行され、市町村に「障害者虐待防止センター」を設置し、事実の確認や虐待の認定、一時保護、支援方針の策定などを行うことが定められました。また、養護者や障害者福祉施設等の従事者などによる虐待に対する支援や対応策などの具体的な体系が定められました。 平成25年に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(以下「障害者差別解消法」とします。)が公布され、平成28年に施行されました。法律では、行政機関や民間事業者等における障害を理由とする差別的取り扱いによる権利侵害行為を禁止するほか、社会的障壁の除去を必要としている障害のある人がいる場合に、その実施に向けて必要かつ合理的な配慮がされなければならない(行政機関は法的義務、民間事業者は努力義務)と規定されており、本市においても三田市障害を理由とする差別をなくしすべての人が共に生きるまち条例(以下「三田市障害者共生条例」とします。)を制定しました。 2 計画の位置づけと期間 (1)計画の位置づけ 本計画は、障害者基本法第11条第3項に基づく「市町村障害者計画」として、三田市における障害者福祉施策の基本的な計画となるものです。 また計画は、国や兵庫県の定める計画等の内容を十分に踏まえながら、「第4次三田市総合計画」の具体的な部門別計画として位置づけ、健康福祉分野をはじめとする各分野の関連計画との整合・調整を図りながら策定しています。 (2)計画の期間 計画の期間は、平成30年度から平成35年度までの6年間とします。また、計画の進捗状況については平成32年度、平成35年度に評価・点検を行い、必要に応じて計画内容を見直すこととします。