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DV(配偶者等からの暴力)のない世の中をめざして!~男性の非暴力プログラムの実践から~
味沢道明さん(日本家族再生センター所長、メンズカウンセラー)
DVが深刻な社会問題となっている中、被害者の相談や支援体制に一層取り組んでいく必要性があります。一方で加害者が暴力をふるわないようにするための活動に取り組んでいる人達がいます。女性への暴力や人権軽視の問題を解決していくために、まだ日本ではあまり取り組んでいない加害者へ様々な非暴力プログラムを実践しておられる味沢道明さんにお話を伺いました。
活動を始められたきっかけは。
自分自身、「男としてなぜ生きづらいのか」という思いが以前からありました。仲間と語り合う中で、「男はこうあらねばいけない」というような意識や価値観に縛られ、暴力を男らしいと勘違いしているしんどい自分を発見しました。これは単に自分だけの問題ではない、社会の問題でもあると感じるようになり、加害者が立ち直るサポートをするようになりました。上から下に指導するような関係ではなく、できるだけ対等な関係で行うプログラム作りを心がけています。
それは私たちみんなに共通するものとも言えます。社会の中には様々なパワーが存在しています。お金がある、いい大学に入った、社会的地位が高い、等。これらは全てパワーで、人間は往々にしてこのパワーで周囲をコントロールしてしまうのです。今の社会の中で、パワー関係なしに人間関係をうまく築くことは容易ではありません。多くの人がパワーコントロール(力による支配)に頼って生きています。社会ではパワーによる関係が成り立っていても、家庭ではそうもいきません。そのフラストレーションが暴力の行使につながることもあるのです。
家を出て行った妻子に会えなくなった時、加害者は、少ない情報の中、孤立無援の状況に置かれがちです。私は加害者に現在の状況を説明し、パワーコントロールを手離せば、たとえ元のさやに納まることはなくても、心の安定を取り戻せると伝えています。
DV加害者にはどのような背景がありますか。
加害者の背景には必ず自分自身が傷ついた体験があります。ですから、誰かが本人の話をじっくり聴いて受け止めることが立ち直りには必要なのです。隠してきた自己の被害者性を受け止めることで、他者の被害者性も受け止めることができる。これが自己の加害者性に気づくことにつながります。いろいろなプログラムを通して実際に暴力から抜け出せる人もたくさんいると実感しています。
DVの実態はどうでしょうか。
一例をあげると、2008年の内閣府の調査では、配偶者から一度でも暴力(身体的・精神的・性的)を受けたことがあると回答した女性は33.2%でした。意外に思われるかもしれませんが、男性も17.8%が暴力を受けた経験があると答えています。しかし、立件されるDVのうち、90%以上は女性が被害者です。女性の被害の方がより深刻な場合が多いからですが、男性は被害をあまり訴えていないとも言えると思います。妻から暴力を受けているということが、男としてのプライドを揺るがすと考える人も多いのでしょう。
子どもが将来DVを起こさないよう、子育てで気をつけることは。
例えば、子どもから「父さんはバカだ」と言われたら、「親に向かって何事か」と怒る親が多いと思いますが、発想を転換し、「父さんのどんなところがバカなの?」と返せば、子どもとのコミュニケーションのきっかけになります。
また、家庭でのだんらんの場を大切にし、日々、「美味しいね」とか「楽しいね」といった幸せを実感できるようにすることが大事でしょう。自分自身が幸せと思える生き方ができる、「今のままの自分でOK」と思える、そんな風に育てられるといいですね。子どもが傷ついたときは、「つらかったね」と話を聴いてあげてほしい。聴いてもらった子どもは安心感を得るのです。
私たちはどのような意識を持てばいいのでしょうか。
自分の存在に対する尊厳を持つこと。大切にしてくれた人に感謝すること。パワーコントロールに依存しない価値観を持つことが大事だと思います。
暴力で傷つく被害者の痛みを社会の痛みと気づき、力で人を押さえつけない世の中にしたいと改めて感じました。
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まちづくり協働センター 男女共同参画担当
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