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ホーム > 子育て・教育 > 教育 > 教育方針 > 三田市在住外国人教育基本方針

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三田市在住外国人教育基本方針

前文

現代社会が当面している課題すべては、全地球的努力と協力によって克服しなければならない。日本においても、国際化時代を生きる人間の育成に努め在住外国人と日本人が共生できる教育が重要である。

在住外国人教育は人権専重の精神を基盤に、人種・民族及び国籍の違いを超えて、文化と民族を相互に認め合い、尊重して共に生きる社会を築くことである。

ここにあらためて人権尊重・非差別平等の普遍性と教育の目的を確認する。

(1)人権尊重・非差別平等の普遍性

「日本国憲法」は、国民主権と平和主義、基本的人権を、その基本原則としており、特に基本的人権については、その第14条に「人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と定め、人権と基本的自由の享有における非差別・平等を宣言している。

「世界人権宣言」は、第1条で「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。」とし、さらに第7条で「すべての人は、法の下において平等であり、また、いかなる差別もなしに法の平等な保護を受ける権利を有する。」としている。

「国際人権規約」が、A・B両規約共に、その第2条で内外人平等を含む非差別・平等原則に基づく人権の尊重と保護を締約国に義務づけ、B規約第27条では種族的、宗教的及び言語的少数者に属する者が「その集団の他の構成員と共に自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利を否定されない」ことを宣言している。

以上のことから、すべての人がその人種・民族、国籍等のいかなる理由によっても差別されてはならないこと、さらに、すべての人が平等に扱われ、その人権を最も大切なものとして尊重されるべきこと、が、人類普遍の原理であり原則であることを確認する。

(2)教育の意義・目的

「教育基本法」は、第1条で教育の目的を「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとぶ」こととし、第2条で、その目的を達成するために「実際生活に即し、自発的精神を養い、自他の敬愛と協力」が必要であるとしている。

「世界人権宣言」第26条及び「国際人権規約A規約」第13条が「教育が人格及びその尊厳についての意識の十分な発達を志向し並びに人権及び基本的自由の尊重を強化すべきこと」と宣言し、日本を含む各国がその内容に同意し締約している。

ユネスコ総会が「国際理解、国際協力及び国際平和のための教育並びに人権及び基本的自由についての教育に関する勧告」(1974年11月)の中で、上記の教育目的を確認すると共に、(a)すべての段階及び形態の教育に国際的側面及び世界的視点をもたせること、(b)すべての民族並びにその文化、文明、価値及び生活様式に対する理解と尊重、及び(c)諸民族及び諸国民の間に世界的な相互依存関係が増大していることの認識を、その指導原則として掲げている。

「子どもの権利条約」の第29条1項Cが「児童の父母、児童の文化的同一性、言語及び価値観、児童の居住国及び出身国の国民的価値観並びに自己の文明と異なる文明に対する尊重を育成すること。」を教育が達成すべき目的として明示している。

以上の人権文章が掲げる目的と精神から教育が個人の人格の完成と共に諸国民・諸民族間の理解及び友好を促進することであることを確認する。

(3)三田市の現状・姿勢

第二次世界大戦下の朝鮮半島及び台湾に対する日本の植民地支配の過程で、日本への渡航と定住を余儀なくされた韓国・朝鮮人、台湾出身の中国人及び日本に生まれ育ったその子孫が、様々な事情から、現在も日本各地に在住している。三田市においてもこのような理由によって在住する外国人が大部分である。また、近年の国際交流や住宅開発による人口増加その他の理由によって在住する外国人の数が増加し、その国籍も多様化している。

これまで三田市においては、あらゆる差別を許さない地域社会の形成をめざした種々の取り組みを進めてきた。とりわけ教育においては憲法・教育基本法の理念に基づき、三田市教育委員会「指導の重点」の中で国際理解教育の推進の方向を示し、正しい国際理解や豊かな国際感覚の育成に取り組んできた。また一般市民に対しても広報活動や文化活動等を通して、人権尊重と非差別平等の原則の徹底に努めてきた。

しかしながら、韓国・朝鮮人、台湾出身の中国人を含む外国人に対する差別と偏見が今なお存在していることは否むことのできない事実であり、そのような状況は、教育現場においても例外ではない。いわれのない差別と偏見が、外国籍の幼児・児童・生徒の民族的同一性を失わせ、基本的な人格権である自らの姓名(本名)を名乗ることすら難しいものにしている。また、卒業後も雇用差別により、その能力と希望に即した進路が阻まれているのが現状である。

すべての市民が、この現状を克服し、人種・民族及び国籍の違いを超えて、文化と民族の違いを認め合い尊重し合いながら共に生きる三田市を築くために、次の事項を「三田市在住外国人教育基本方針」とする。

基本姿勢

  1. すべての幼児・児童・生徒に人間の尊厳と基本的人権が国家や民族を超えて尊重すべき普遍的価値であることを認識させ、異なる国家と民族に対する偏見と差別の根絶を基本目標とする。
  2. すべての幼児・児童・生徒が、自己および他者の国家・民族並びに文化や歴史を正しく理解し、自己の国家・民族と文化に対する自覚と誇りを保持すると共に、他者の国家・民族および文化に対する尊重と敬愛の念を抱かせることによって、寛容と協調の精神を養う。
  3. すべての幼児・児童・生徒が異なる民族や文化に対する偏見と差別を許さない学習を通して、日常生活の中で人間の尊厳と人権の尊重に基づいて考え、行動することを啓培する。
  4. すべての幼児・児童・生徒が自己と他者との民族的文化的差異を認め、よろこび合って共に生きる豊かな心を持つ国際人に成長するための必要な教育として取り組む。

方針

  1. 韓国・朝鮮人及びその他の外国人が日本に定住するようになった歴史的経緯と韓国・朝鮮その他のアジア諸民族との歴史的関係を正しく認識し、その歴史から学び、相互の信頼と友好に基づく新しい歴史の創造に必要な教育を行う。
  2. 外国人幼児・児童・生徒が自己の言語、文化および歴史を学び、自らの民族について自覚と誇りを持つことができる教育を行う。
  3. 日本人の幼児・児童・生徒がこのような民族教育が重要であることを理解し、外国人の歴史と文化について正しい認識を深める。
  4. 外国人とりわけ韓国・朝鮮人の幼児・児童・生徒にとって、基本的人権である民族名の使用を困難にする歴史的背景と今日的状況をふまえ、すべての外国人幼児・児童・生徒がその民族名を使用できる状況をつくる。
  5. 外国人幼児・児童・生徒の進路状況を正確に認識し、進路保障のために必要な教育を行い、関係諸機関と連携を密にし適切な指導を行う。
  6. 外国人差別、少数者差別を含むあらゆる差別の撤廃に関する国際基準、特に人種差別撤廃条約から学び、国際社会の努力と日本国内の取り組みを正しく理解させる教育を行う。
  7. 市民及び教職員が外国人の人権に関する現状と課題について正しく認識し理解するために必要な啓発・研修・研究を行う。

具体施策

三田市に在住するすべての市民が、それぞれの民族の誇りと希望をもって共に生きる社会の実現を目指すために、また、この基本方針の目的を達成するために、教育行政・学校園教育・社会教育のそれぞれが取り組むべき具体的施策を次のように設定する。

1.教育行政

  • (1)研究及び実践のための指導体制を整備する。
  • (2)必要な資料・図書、あるいは教材・教具等を開発・収集する。
  • (3)各学校・園における教育実践のための組織作り等の条件を整備する。
  • (4)教職員に対する研究・研修の充実と指導者の育成を図る。
  • (5)「三田市在住外国人教育基本方針」の実施について検証し提言するための機関として「三田市在住外国人教育推進委員会」(仮称)を設置する。

2.学校・園教育

  • (1)民族の同一性と独自他の尊重、人権尊重・非差別平等の精神を培う教育を、全領域のなかに体系的に位置付ける。
  • (2)各学校・園の実態にあった独自の指導計画を作成し、全教職員の共通理解の下、主体的な取り組みを図る。
  • (3)研究会・研修会組織を作り、最新の情報や教育実践を交流し、正しい教育観の確立と指導力の向上に努める。
  • (4)外国人がおかれている社会的状況を正しく理解させるため、歴史教育を含む必要な教育を積極的に行う。
  • (5)外国人・日本人双方の子どもたちが自己の文化と他者の文化にふれる活動の充実を図る。
  • (6)外国人に対する偏見と差別をなくする教育に必要な教材を作り、外国人の子どもたちが自分自身の力で問題を克服できるように支えつつ、子どもたちが相互に理解を深める集団づくりに努める。
  • (7)外国人の子どもたちが自主的に民族名を名乗ることの意義と必要性について、外国人保護者の理解・啓培に努めると共に民族名を名乗る環境をつくるために日本人の子どもたちとその保護者の理解・啓発に努める。
  • (8)外国人児童・生徒の進路状況の実態把握に努めると共に、進路先との連携を密にし定着指導に努める。

3.社会教育

  • (1)外国人がその民族名を名乗り民族的同一性を表現できる社会状況を醸成するため、地域及び社会教育としての啓発活動を行う。
  • (2)外国人の歴史と現状に関する図書・資料の整備を行い市民啓発に資する。
  • (3)外国人と日本人が自己の文化にふれる活動や他者と共に交流できる取り組みを積極的に進める。

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